「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、ヴェネト州「デリボリ」の「ソアヴェ 2019」をご紹介します。
「ソアヴェ」は、イタリアの白ワインのなかで最も知名度の高い銘柄のひとつではないでしょうか? ヴェネト州のDOC(統制原産地呼称)で、ブドウ品種はガルガネーガを主体に、トレッビアーノ・ディ・ソアヴェなどを加えて造られます。白い花やフルーツにたとえられる独特の香りとミネラル感、後味のほのかな苦味と酸のバランスに優れ、魚介類をはじめ食事との相性が非常によく、日本でも大変人気のあるワインです。
ヴェネト州のことをちょっとお話しましょう。州都はヴェネツィアで、「水の都」と称される運河のある美しい景観と、ルネサンス期に花開いたヴェネツィア派の絵画をはじめ、音楽、演劇など優れた芸術文化で名高い、イタリア屈指の観光地ですね。
現地へ行くと、微発泡ワイン「プロセッコ」や、なめらかで飲み心地のよい「ソアヴェ」など多彩なワインとともに、名物の魚介類を気軽に楽しめる店や、新鮮な海産物や野菜を売るマーケットが数多くあり、路地を歩く楽しみは尽きません。
ヴェネト州は、イタリアの州別ワイン生産量でトップの座を占めることが多く、ヨーロッパ最大級の国際ワイン見本市「ヴィニタリー」が毎年開かれることからも、イタリアワインの中心に位置づけられています。この「ヴィニタリー」が開催される都市ヴェローナは、シェイクスピアの演劇「ロミオとジュリエット」の舞台としても人気の観光地で、今回紹介する「デリボリ」のワイナリーも同じヴェローナ県に位置しています。
イタリア最大の湖ガルダ湖を見下ろす丘の上にワイナリーはあり、豊富な水資源に恵まれ、湖からの暖かい風と北側の山からの冷たい風がもたらす昼夜の寒暖差によってアロマ豊かなブドウが生育するため、古くからワイン造りが盛んな地域です。この地で、ヴェネト州やヴェローナの代表的な銘柄のワイン造りに力を入れ、220haの自社畑ではイタリアの土着品種を中心に栽培しています。
ソアヴェに使うブドウを育てるエリアは、カリウムとリンが豊富な粘土質の土壌で、辛口でいきいきとしたミネラル感をワインにもたらします。
グラスに注いでみると、明るい麦わら色の液体がキラキラと輝いて、フローラルの香りがゆったりと広がります。鼻先をグラスに近づけてみると、貝殻を思わせる海のニュアンスがしっかりと感じられます。味わいはドライで、塩味を伴なったミネラル感と酸が口中に広がり、後味のかすかなほろ苦さは、グレープフルーツの皮を思わせます。
さわやかで飲み心地がよく、酸とミネラル感が際立っているので、オリーブオイルと塩、レモンで、ごくシンプルに味付けた、鯛のカルパッチョ風を合わせてみました。
ブリやヒラメなど、冬に旬を迎えるお魚と楽しむのも、また格別ですね。野菜は、トレビスやルッコラなど苦味のあるものを合わせても、ソアヴェ特有の心地よい苦みに寄り添ってくれるでしょう。
フレッシュな味わいのソアヴェは、お刺身やお寿司など、魚介をシンプルに味わう和食とも相性抜群です。味付けは、醤油よりも塩をベースにするのがおすすめ。前菜とともに乾杯の1杯にすると、華のある香りが、食事の期待感をさらに高めてくれます。
ぜひ気軽に、ふだんの食卓に取り入れて楽しんでみてくださいね。
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