「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、ピエモンテ州の「ロッカ・ジョヴァンニ」が手がける「バローロ・ラヴェラ・ディ・モンフォルテ 2016」をご紹介します。

思えば記念すべき第1回も、「ロッカ・ジョヴァンニ」のバローロから始まりました。バローロは、ピエモンテ州をはじめ北イタリアに根付くブドウ「ネッビオーロ」から造られるワインで、アルバの南側に11の生産地域が広がります。バラやスミレの香りを含むネッビオーロが、熟成に従って官能的なまでに香りを深め、ゆたかなタンニンと酸が響き合う優美な味わいは、一度味わうと忘れることができません。
イタリア政府による最高級の格付け「DOCG」に認定され、38カ月以上の熟成期間が義務付けられ、リゼルヴァ(通常より長期熟成のタイプ)では62カ月以上。超長期熟成に耐えうる高級ワインとして知られています。

樹齢40年以上のブドウを優しくプレスし、発酵中のワインを静かに混ぜるパンチングダウンの手法を用いながら、醸し発酵を10〜15日間とマロラクティック発酵を行います。フレンチバリック樽で12カ月、スラヴォニアンオーク樽で18カ月、さらに瓶内熟成6〜8カ月を経て、ようやくリリースされます。

口に含むと、インパクトのある辛口で、緻密なタンニンとエレガントな酸のバランスがとれ、イチジクの赤ワイン煮のようなこなれた果実味がじんわりと口中に広がります。バターのような旨味と香り高いカカオの風味を伴って、非常に長い余韻が続きます。

パスタは手打ちのタリアテッレを使用し、グリルした鶏もも肉を添えて出来上がり。バターとキノコの芳醇な風味のソースに、卵たっぷりの手打ちパスタがよく絡んで、バローロの凝縮した旨味が同じトーンで寄り添います。しっとりとしたペアリングを、ワインの綺麗な酸が抜けるような華を添え、濃厚でありながら、弾むような愉しさのある力強いバローロの味わいを堪能できました。

そんなイタリアワインのストーリーに敬意を払いながら新時代のワインを世に送り出す生産者の方々に代わって、言葉を介して1本1本のワインの魅力を伝えたいと思ってきました。コラムを通して、90本もの素晴らしいイタリアワインに出会えたことを心から嬉しく思っています。
当コラムを読んで「私もイタリアワインが好き」「バローロを初めて飲んでファンになった」などのお言葉をいただくことができました。これからもレアーレカンティーナのワインをご愛顧いただければ幸いです。またどこかでお目にかかれることを願っています。ありがとうございました。
「ロッカ・ジョヴァンニ」の「バローロ・ラヴェラ・ディ・モンフォルテ 2016」はこちら
生産者「ロッカ・ジョヴァンニ」の詳しいご紹介はこちら