「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、ロンバルディア州の「マイオリーニ」が手がける「フランチャコルタ・ブリュット・ロゼNV Mラベル」をご紹介します。
12月になりました。クリスマスや忘年会、お正月に新年会と、華やかな“泡”の似合うイベントが目白押しの年末年始に合わせて、前回に引き続きイタリア最高峰のスパークリングワイン「フランチャコルタ」をご紹介します。
今回はピノ・ネーロ(ピノ・ノワール)100%で造られる、華やかなロゼ。グラスに注ぐと、弾ける泡、輝きのあるコーラルピンクの色調がまるで宝石のように目を楽しませてくれ、みずみずしい赤いベリーとフローラルの香りはテーブルを彩るブーケのよう。特別な席にもぴったりの1本です。
ここでちょっと、「フランチャコルタ」を生み出す気候風土に注目してみましょう。ロンバルディア州はイタリア北部に位置し、スイスと国境を接しています。アルプス山脈をはじめとする山々が連なり、州の面積に占める山岳地帯は40.5%、湖と河川が多く、豊かな水に恵まれた地域でもあります。
「フランチャコルタ」の生産地域は、そんな自然豊かなロンバルディア州の中央部に位置しています。栽培されるブドウ品種は、シャルドネが81%、ピノ・ネーロ15%、ピノ・ビアンコ(ピノ・ブラン)3%(ほか)という内訳です(参考:中川原まゆみ『地図でわかるDOCGとDOC イタリアワイン産地ガイド』ガイアブックス、2022年)。
「マイオリーニ」のワイナリーがあるのは産地の北東部のオーメという地域で、森林が多く、標高は300メートルほどの高さがあります。冷涼な気候のため、シャープで酸味を感じるワインが生まれます。有機栽培されたピノ・ネーロのフレッシュなアロマを、コールドマセラシオン(低温浸漬)によって維持し、シャンパーニュ由来の酵母を使って24カ月の瓶内二次発酵をおこないます。
泡立ちがきめ細かく、口に含むと果実味は非常に優しく、角の取れた酸がのびやかに口中を満たします。ベリーの甘酸っぱい風味、白桃のような濃密な甘さ、カカオのほろ苦さといった異なるニュアンスを抱き込む芳醇な味わいに、魅せられずにはいられません。
料理は、タラのフライを作ってみました。衣にはパン粉とアーモンドスライスをフードプロセッサーで細かくしたものを使い、アーモンドの香ばしい風味をまとわせました。プチトマトとみじん切りのタマネギを添えて、レモンフレーバーのオリーブオイルで仕上げ。シトラスの風味と香味野菜が、タラのフライに爽やかさを添え、すっきりフルーティーなロゼ・スパークリングの輪郭を際立たせます。
もう一品は、鶏のカチャトーラを。「猟師風の」という意味のシンプルな煮込み料理です。ハーブを入れるのがお約束ですが、ちょっと個性的なフェンネルを使い、独特の甘い香りをアクセントにしてみました。バルサミコ酢と白ワインビネガーを振り入れてスッキリした後味に仕上げ、鶏の旨みとタマネギの甘味がとけ込んだ煮込み料理を、酸の弾けるスパークリングワインに寄り添わせてみました。
キレの良さとふくよかな果実味のバランスに優れた、中辛口「ブリュット」の味わいが食事を選ばず、塩気のあるものから、ほのかな甘さのあるものまで幅広い料理にマッチします。イタリア風の前菜や生ハム類はもちろん、エビや鯛、黒豆、伊達巻といった、おせち料理とのペアリングもおすすめです。
食卓に華を添えるロゼ・スパークリングワイン、この冬はイタリアの希少な瓶内二次発酵ワイン「フランチャコルタ」を選んでみてはいかがでしょう? 湖と森林の北イタリアの景色を思わせる、凛として澄み切った味わいを、ぜひ堪能してみてください。
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