Vol.6 美しい海の街の赤ワインを
ピアット・ウニコで軽やかに

 「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、プーリア州の「ヴァローネ」が手がける「ヴィーニャ・フラミニオ2016」をご紹介します。 

ヴィーニャフラミニオ

 イタリアの形を「ブーツ」にたとえると、その「かかと」に位置するプーリア州。東にアドリア海、南にイオニア海が広がり、海岸線は830kmと長く、50%以上を占める広大な平野部ではブドウやオリーブ、穀物、野菜などがさかんに栽培され、海の幸、山の幸ともに豊富な「食材の王国」です。

 海に突き出した部分のサレント半島は、赤茶色をした粘土石灰土壌と、温暖な地中海性気候に恵まれ、古くからブドウの栽培が行われてきました。

 今回ご紹介する「ヴァローネ」のワイナリーはサレント半島のレッチェにあり、「ヴィーニャ・フラミニオ2016」の主体となるネグロアマーロは、レッチェを中心にプーリア州で栽培される土着のブドウで、ギリシャから伝わったという一説があります。

プーリア風景

 プーリア州は、かつて古代ギリシャに支配された歴史をもち、紀元前に建設された美しい海洋城塞都市ガッリーポリなどにその名残がみられます。また、レッチェの北西に位置するブリンディジは、「すべての道はローマに通ず」の言葉で知られるアッピア街道の終着点で、東方貿易の要所として栄えました。いまもギリシャなどへの船が出る海路の拠点となっています。

 色の濃さと独特の苦みに個性をもつネグロアマーロを主体にした「ヴィーニャ・フラミニオ2016」はDOC「ブリンディジ」で、果実味ゆたかなモンテプルチアーノをブレンドして造られます。

ブドウ

 チェリーやレッドカラントのみずみずしい香り、スギ、黒コショウ、クローブなど、スパイシーな香りも感じます。口当たりはソフトで、酸はまるみがあり、ほのかな苦みがアクセントになっています。お肉料理全般に合いそうですが、地中海の港町にちなんで、今回は「魚介」を合わせてみようと思い立ちました。

 赤ワインに合わせやすい魚として、マグロやカツオなど赤身のものが挙げられますが、ワインはあまり重厚すぎないものを選び、ソースや味付けを工夫すれば、いろいろな種類で楽しめると思います。メカジキは、脂のうま味が濃厚で、柑橘、ハーブ、オリーブオイルなどをベースに味付けると白ワインに合わせやすく、トマトや赤ワインのソースにすると赤ワインとも相性のよい食材です。

ワインボトルイメージ

 メカジキのソテーに、ちょっとひとクセあるトマトソースを、と思いついたのは、スパゲティ・プッタネスカを添えるアイディア。ブラックオリーブ、ケイパー、アンチョビ、唐辛子などを使ったピリ辛のトマトソースで和えた、ナポリ風スパゲティです。

 パスタを茹でながら、塩、コショウして薄く小麦粉をまぶしたメカジキを焼きすぎないようふっくらとソテーして取り出し、冷めないうちにソースを仕上げます。オリーブオイル、ニンニク、唐辛子の香りを立て、オリーブ、ケイパーも加えたあと、トマトソースを合わせて煮立て、アツアツのパスタを絡めます。

料理とワイン

 ちなみに、「プッタネスカ」はイタリア語で「娼婦風の」という意味です。諸説ある名前の由来にはここではふれませんが、ピリッと刺激的な味わいがくせになりそうです。仕上げに添えたバジルの高貴な苦味、ブラックオリーブ、ケイパー、アンチョビが織りなす表情豊かな塩味など、食材の個性がみごとに融合したソースに、程よく軽やかで複雑味のある赤ワインが、なかなかの組み合わせです。

 イタリア気分たっぷりの香りがキッチンに満ちるなか、ササっと仕上げられる「ピアット・ウニコ」(パスタとメインをひと皿に盛り合わせた料理)は、シェフ(主婦)に嬉しいひと皿で、休日のワインランチにもぴったりです。

 

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