イタリアワインの作り手紹介
フリウリの銘醸地で父親の情熱を引き継ぎ
高い醸造技術で伝える豊かなテロワール
ジャンカルロ・トラヴェルソにより1998年、コッリ・オリエンターリ地区にあるスロヴェニア国境の街・プレポットの丘に設立されたワイナリーです。この地区は、古くから銘醸地として知られ、1970年代頃からは、クリーンでフレッシュな味わいの高級白ワインの産地として評価されてきました。石灰性粘土と砂質石灰岩が交互に層を成す、「ポンカ」と呼ばれる土壌が、ブドウに活力を与え、上質な味わいに育てます。
彼らのワイナリーは手付かずの森に囲まれ、森が衝立てとなって、冬のアルプスからの冷たい風や、南側からの暑い風から、ブドウを守っています。昼夜の寒暖差が大きく穏やかな気候も、栽培に最適です。
1980年代より、ジャンカルロと妻のオルネッラ・モロンはヴェネト州東部のピアーヴェでワイナリーを営んでおり、優良生産者として知られていました。彼は、他のワイン産地や醸造法にも関心を示し、中でもフリウリ・コッリ・オリエンターリ地区の上級ワインを造るという夢を抱き続けてきました。
1998年にプレポットの22haのワイナリーを購入。ジャンカルロの情熱は3人の息子に引き継がれ、長男のステファノはヴェネト州で醸造学を修め、エノロゴ兼オーナーとしてワイナリーのリーダーとなっています。
1960年代の古い建物だったセラーを、新しく設計し直し、ステンレスタンク、コンクリートタンク、地下には熟成庫を備えたセラーを2011年に新設。電気エネルギーを使わずに、最適な温度が保たれるよう管理され、社会の持続可能性にも貢献しています。
現オーナーのステファノは2000年から、元々あったブドウの古木を保護し、最新のグイヨー仕立て(垣根仕立て)に改植。低収量ながら凝縮味のある高品質なブドウ造りに成功しました。このブドウで醸すワインが、樹齢50年のメルローで造る「ソット・カステロ・ロッソ」です。白ワインは、フリウリ伝統のクリーンでフレッシュ、フローラルな香りのスタイル。地域特産のサン・ダニエーレ産生ハムにも、ぴったりの味わいです。赤ワインは、土着品種や国際品種を用いて、凝縮感が高くまろやかで優雅なスタイルに仕上げています。
「選び抜いたブドウから最高品質のワインを造る」というジャンカルロの思いを実現し、ステファノは品質に責任を持つため、表ラベルに彼のサインを記入しています。
生産者情報
トラヴェルソVIGNA TRAVERSO
醸造家
Stefano Traverso
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州
白ワインの聖地とも言われている世界的な銘醸地のひとつです。フリウリスタイルと呼ばれる、味わい深くフレッシュでなめらかな白ワインを生産しています。またレフォスコなど土着品種にメルローなどの国際品種を加え世界的にも通用する赤ワインも生産しています。