
ワインと食、自然の魅力あふれるピエモンテ州
美食の地として有名で、世界的に名高いワインの産地としても知られるピエモンテ州。バローロやバルバレスコ、モスカート・ダスティなどを生み出し、2014年にはランゲ・ロエロとモンフェッラートのブドウ畑の景観がユネスコ世界遺産に登録されました。
豊かな自然と伝統が息づくこの地から、今回ご紹介するワイナリーは、兄弟でこだわりのワイン造りを続けてきた「Cascina Liuzzi(カッシーナ・リウッツィ)」です。
Cascina Liuzziについて

Cascina Liuzziは、SimoneとStefano のLiuzzi兄弟が2000年に設立した小規模ワイナリー。彼らの父Ottorinoは、生涯をワイン造りに捧げ、著名な醸造家として知られていました。そんな父の「ワイナリーを持ちたい」という夢を息子たちが形にしました。
Simoneは、ピエモンテの大手企業で培った品質管理と商品開発の経験を活かし、ブドウの栽培と畑の管理を担当。一方Stefanoは、20年にわたるワインの輸出マネージャーとしての経験をもとに、販売とマーケティングを担っています。すべての工程に兄弟が関わり、畑仕事はもちろんのこと、コルクの打栓やラベル貼りの一つ一つまで手作業でおこなっています。
「よく働き、最高品質のものを造る」 これがCascina Liuzziのモットーです。


ワイナリーへのインタビュー
8月初旬、Stefanoさんにインタビューしました。
Q. 今年のヴィンテージはどうですか?
A. 収穫までどうなるかわかりませんが、去年と同様に良い印象です。数年前はアルコール度数が15-15.5度と非常に高い傾向にあったものの、今年は14度ほどのバランスの取れたワインが造れると思います。
Q. 収穫のスケジュールを教えてください。
A. 8月の終わりにシャルドネの収穫が始まり、9月中旬にカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを収穫します。9月末よりバルベーラ、10月初旬から中旬にかけネッビオーロの収穫を予定しています。
Q. ワイナリーにとって最も嬉しいことと、最も大変なことはなんですか?
A.最も嬉しく、かつ大変なことが「収穫」です。このために1年かけて働いているため幸せを感じる瞬間ではありますが、収穫の時期はハードワークとなるため大変な時期でもあります。
またワインの発注をいただいた瞬間もワイナリーとして幸せを感じます。
Q. ブドウの栽培でこだわっていることは何ですか?
A. 質の高いブドウを栽培するため、グリーンハーベスト(間引き)で収穫量を減らし、残ったブドウに栄養を集中させています。またブドウが日の光を十分受けられるよう、収穫の15日ほど前に葉を取り除くことで、完熟を促進させています。これにより酸が高い品種のバルベーラも酸が穏やかになり、エレガントな印象となります。
Q. おすすめのペアリングを教えてください。
A.《ピエモンテ・シャルドネ》 (シャルドネ90%、ヴィオニエ10%)
シーフードによく合います。日本食であればお寿司との相性も良いです。ボンゴレなど魚介類を使ったパスタもおすすめです。
《テレニスパルシ・モンフェラート・ロッソ》(カベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロー50%)
ボロネーゼのパスタやサラミなどがおすすめです。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンドでエレガントな味わいとなっています。
Q. ワイン名の由来を教えてください。
A. Ottoは父の名前「Ottorino」、Silは芸術家である母Silviaがサインをする際に書いていた「Sil」に由来しています。
Q. Liuzziでは何名のスタッフが働いていますか?
A. 私たち兄弟のほか、畑では4名働いています。
Q. 日本のお客様にメッセージをお願いします。
A. 私たちはワインに情熱と全てのパワーを詰め込んでいます。ぜひお飲みいただき、感想を聞かせていただけると嬉しいです。

最後に
兄弟二人で力を合わせ、父と母の名前を冠したワインを大切に造り続けているCascina Liuzzi。
伝統を大切にしながら、常にユニークなこともしたいと「スーパータスカン」になぞらえて「スーパーピエモンテ」として、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなど国際品種のみで構成された《テレ二スパルシ・モンフェラート・ロッソ》も手がけています。
今回のインタビューで何度も「我々はまだまだ若い小さなワイナリーです。だからこそ良い品質を造るためにたくさん働くのです。」と語っていたのが印象的でした。
ひたむきにワインと向き合い情熱を込めて造られるLiuzziのワインをぜひお楽しみください。


バルベーラ・ダスティ・スペリオーレ・オット 2021
2011年に亡くなったワイナリー創業者でもある父オット・リウッツィに敬意を表してオットと名付けられました。熟成に耐えるフルボディですが優しく繊細で果実味を感じるまろやかさが表現されています。色はルビーレッドで熟成によりガーネットに変化します。
¥5,280(税込)

バルベーラ・ダスティ・スペリオーレ“ニッツァ・シル” 2021
母Silviaがサインをする際に書いていた「Sil」がワイン名の由来。ガーネットを帯びたルビーレッドの色調で、芳醇な果実味が際立ち、バルベーラの特徴である酸味も印象的。スパイスの香りを伴い、長い余韻が続きます。
¥6,820(税込)

ピエモンテ・シャルドネ 2023
濃い麦わら色の外観にコンポートのような果実味とフレッシュなパイナップルの風味が広がり、柔らかな飲み口とコクのバランスが良くミネラリーな余韻が残ります。お寿司や魚介類を使ったパスタとの相性も良いです。
¥5,060(税込)

テレ二スパルシ・モンフェラート・ロッソ 2022
濃いルビーレッドの色調、凝縮した果実味と角のとれた酸味があり、口当たりはソフト。ほのかなスパイス香が感じられます。ボロネーゼやサラミなどと一緒に召し上がるのがおすすめです。
¥6,050(税込)
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