
トスカーナと並ぶイタリアワインの銘醸地、ピエモンテ州
イタリア北西に位置し、州都はトリノ。面積の広さはシチリアに次ぐ国内2位で、広大なアルプス山脈の南側に広がっています。ピエモンテはイタリア語で「山の麓」の意。アルプスより多くの雪解け水が川に流れる、水にも恵まれた州です。フランスの国境と接しており、食文化はフランスの影響を多く受けています。

ピエモンテ州のワインと主要なブドウ品種
ピエモンテ州ではイタリアを代表する数多くのワインが生産されています。「ワインの王様」と称される高級赤ワインのバローロや、同じく高級赤ワインで「ワインの女王」と言われるバルバレスコ。共に黒ブドウのネッビオーロ100%で造られます。ネッビオーロの色合いは明るく、熟成するにつれオレンジがかった色調へ変化します。豊富な酸としっかりしたタンニンは長期熟成に適しています。
一方白ワインはミネラル感としっかりした酸味が料理に合うガヴィや、モスカート・ビアンコ100%で造られる甘口の発泡性ワインのアスティが有名です。アスティは4種類に分かれるのですが、うち2種類はアルコール度数が低く甘口で飲みやすく、特にワイン初心者にもおすすめです。成人の日のお祝いとして、すでに20歳を迎えた方へのプレゼントにもピッタリです。
海外では何歳から飲酒可能?
さて成人の日の話題となりましたが、日本は2022年に成年年齢が18歳に引き下げられたものの、飲酒可能な年齢は20歳以上のまま維持されています。外国では何歳から飲酒が認められているのでしょうか。一部をご紹介します。
国名 | 法定飲酒年齢 |
---|---|
ドイツ・フランス | 16歳(蒸留酒は18歳以上) |
イギリス | 16歳(ただしビールやシードルの飲酒で、大人同伴かつ食事を伴う場合のみ) |
イタリア・スペイン・オーストラリア | 18歳 |
ノルウェー | 18歳(蒸留酒は20歳以上) |
カナダ、韓国 | 19歳(一部の州では18歳) |
日本 | 20歳 |
アメリカ | 21歳 |
日本は20歳以上であれば飲酒とアルコールの購入が認められています。一方、世界に目を向けると、アルコール度数や購入の可否など状況に応じて法的年齢を分けている国も少なくありません。州によって法律が異なる場合もあるため、20歳前後の方が渡航時お酒を飲む場合は確認が必要です。
Marco Bonfanteについて
ここからはレアーレカンティーナが輸入契約しているピエモンテのワイナリー、Marco Bonfante(マルコ ボンファンテ)をご紹介します。
Marco Bonfanteは2000年に設立された家族経営のワイナリーです。ボンファンテ家は8世代にわたりワインを生産しており、長い間ワイナリーと葡萄畑を管理してきました。2000年まで「Bonfante & Chiarle」という会社を従兄弟のキアルレ家と共同経営していたものの、マルコの父親の死後ボンファンテ家で新たにMarco Bonfanteを設立。兄マルコが生産や経営を、妹のミカエラが管理業務を担当しています。
「ワインはエレガントでなければならない」という哲学のもと、日々真面目に生産と管理に取り組んでいます。サスティナビリティにも力を入れており、マルコの祖父の教えである「土地に対する敬意」を忘れることはありません。

白ワインは「心地よさ」を第一に考え、フルーティーでミネラル感があり、果実味を感じられるワインに仕上げます。葡萄品種の特徴を反映すべく木樽での熟成は行いません。また赤ワインには骨格、果実味、ハーモニー、複雑性を追求します。ボディ、酸味、アルコールのボリュームに注意を払いながら、バランスの取れたワインを造っています。
エクスポートマネージャーとワイナリーへのインタビュー
ワイナリーについてエクスポートマネージャー(輸出責任者)のAndrea氏とワイナリーに聞いてみました。
Q.2024年の収穫について教えてください。
A.夏と収穫期間中に降った大雨により収穫は困難でした。そんな中でも白ブドウの品質は非常に良く、アルコール度数も平均的に低いものとなりました。
一方黒ブドウの品質について当初良いとは言えなかったのですが、Marcobonfanteでは7月末から8月初めにかけグリーン・ハーヴェストを行い、生産量を大幅に減らしたため素晴らしい品質を得ることができました。
※グリーンハーベストとは:収穫量を制限して葡萄の品質を上げる作業。間引き。残した葡萄の濃縮度が高まるため品質が向上する。
Q.今の時期ワイナリーはどんなことをしているのでしょうか?
A.収穫を終えた10月から11月にかけて、私たちはまず土壌の有機肥料化を進めます。土壌の豊かさとブドウ畑の生物多様性を維持するため、11月末までにさまざまな植物からなる緑肥を植え、4月に刈り取って埋めるのです。また12月から2月にかけて剪定を行います。
Q.当店でも人気のあるモスカート・ダスティとブラケット・ダックイに合うおすすめの料理を教えてください。
A.モスカート・ダスティはアペリティフ、またデザートやチーズによく合います。ビスケット、クリームやフルーツのケーキ、パンナコッタ、ティラミスなどあらゆるデザートと相性は抜群です。個人的にはブルーチーズと合わせるのが好きです。
ブラケット・ダックイもアペリティフに最適です。私自身パーティを行う際は、仔牛のカナッペにツナのソースを添え、塩味の効いたケッパーをトッピングしたものと合わせウェルカムワインとして提供しています。
Q.個人的にモスカート・ダスティのボトルの色が綺麗で好きなのですが、何かこだわりがありましたら教えてください。
A.モスカート・ダスティのボトルの形と青色は、エレガントさを失うことなく魅力的で目を引くパッケージにするため米国のインポーターと一緒に選びました。
後ろのラベルにQRコードを載せており、読み込むとYouTubeに繋がってこのワインに関する多くの情報を得ることができます。よかったら見てくださいね。
YouTubeはこちら
https://youtu.be/mw4XXGZAxiQ?feature=shared
Q.ワイナリーと話は離れますが、イタリアの年末年始の過ごし方を教えていただけますか。
A.イタリアではお正月よりも大晦日にお祝いをします。特別なディナーを用意し、夜中まで盛大にパーティを行います。地方によって異なる部分もありますが、大晦日に食べる代表的な料理を紹介します。
○アサリや魚介類のスパゲッティ
○ラザニア

▲コテキーノとレンズ豆:コテキーノ(大きな豚肉ソーセージ)は豊かさ、レンズ豆は富と繁栄を意味し、食べればお金に困らないと言われています

▲パンドーロ:古典的な星形は光と希望を意味するそうです

▲パネットーネ:レーズンと砂糖漬けのフルーツは豊かさと分かち合いを意味し、縁起の良いお菓子とされています
また大晦日には幸運を招くため赤い下着を身につけます。イタリアでは赤い下着が幸運を引き寄せると考えられているのです。
最後に
Marco Bonfanteはレアーレカンティーナが輸入を始めてまだ一年経っていないのですが、当店スタッフにも非常に人気のあるワイナリーです。王道バルバレスコや親しみやすいパジャなど、シチュエーションに合わせてお楽しみください。

左が兄のMarco Bonfante、 右が妹のMicaela Bonfante

バルバレスコ 2020
「イタリアのワインの女王」と称される優雅なワイン。スミレやドライチェリー、チョコレートのような香りとナツメグのようなスパイス香、濃厚な果実味と綺麗な酸味、ビロードのような滑らかな喉越しが長い余韻につながります。
¥8,800(税込)

モスカート・ダスティ 2023
マスカットのフルーティな味わいをダイレクトに感じられる一本。アペリティフや食後のデザートワインにいかがでしょうか。週末に家で映画を見る、そんなゆったりした時間のお供にもピッタリです。
¥4,620(税込)

ブラケット・ダックイ 2022
微発泡で低アルコールの甘口赤ワイン。飲みやすいため普段ワインを飲まない方へのプレゼントにもおすすめです。イチゴの芳醇な味わいをお楽しみいただけます。
¥4,620(税込)

パジャ 2023
パジャはイタリア語で「藁(わら)」の意。名前の通り外観は明るい麦わら色で、酸とミネラルのバランスがよいワインです。飲む人を選ばず料理にも合わせやすいので、ホームパーティーの持ち寄りワインとしてもおすすめです。
¥3,850(税込)

ガヴィ・デ・ガヴィ 2023
外観は麦わら色で、柑橘類の果実と白い花の香りがあり、フレッシュな飲み口です。酸味とミネラルのバランスが心地よく、後味にアーモンドのようなほろ苦さも感じられます。
¥5,060(税込)