イタリアワインの魅力をお伝えします読むワイン

Vol.19 火照った身体にスーッと染み入る
なめらかな飲み心地の白ワイン

 「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、ヴェネト州の「ヴィラベッラ」が手がける「ルガーナ2018」をご紹介します。

ルガーナ ヴェネツィアの立ち飲み屋を思わせる都内の店で、カウンターに並ぶおつまみに目移りしながら、“本日のおすすめワイン”として味わったのが「DOCルガーナ」との出会いでした。ソムリエ試験に合格したあとで、イタリアワインを覚えるカギとなる、DOC(統制原産地呼称)、DOCG(統制保証原産地呼称)の名前はもうバッチリと思っていたのに、「ルガーナって、どこのワインだった!?」
 焦りつつグラスを持ち上げてみると、その香りに、飲み心地に、「このさい知識なんて関係ない」と思うほど、魅了されてしまったのです。

ワイン集合 「ルガーナ」は、ロンバルディア州とヴェネト州にまたがるDOCで、産地はガルダ湖の南側、ブドウの9割以上にトレビアーノ・ディ・ルガーナの使用が義務付けられています。トレビアーノ・ディ・ソアヴェやトレビアーノ・ヴェロネーゼと呼ばれることもあるトレビアーノの一種で、このエリアの粘土質の土壌がブドウにゆたかな酸とミネラル感をもたらします。有機認定を受けた「ヴィラベッラ」の農園では、いきいきとした果実味がいっそう引き出され、格別の味わいに。今回のタイプにはシャルドネがブレンドされています。

ブドウ畑 さて、一刻も早くテイスティングをしたいところですが、ちょっとだけ、ブドウの説明をしておきましょう。トレビアーノはイタリア全域で盛んに栽培される品種で、紀元前にはエトルリア人がトスカーナ地方で栽培していたといわれています。いきいきとした酸、柑橘系の爽やかな香りをもち、味わいはニュートラル。フランスに渡ってユニ・ブランと呼ばれ、コニャックの主原料にも使われており、フランスにおける白ブドウの栽培面積ではシャルドネをしのいでナンバーワンとなっています。

ブドウ畑 グラスに注ぐと、明るい黄金色で、グレープフルーツのような香りに、マスカットのような甘い香りも入り混じります。口に含んだときのアタックは優しく、キレのよい酸を前面に押し出しながら、ジューシーな果実味が口中を満たすように広がります。後味をくっきりと印象づけるのは、じわじわと主張するミネラル感です。
 酸とミネラル感のある辛口が、魚介類全般に好相性ですが、なめらかな味わいを生かしたペアリングにしたいと想いを巡らせました。そこで、目に留まったのが「鱧」。黄金色に輝くトウモロコシと一緒に、パスタにアレンジして、夏の旬の味を堪能してみましょう。

料理とワイン 鱧はボイル済みのものを使ったので、トウモロコシの茹で汁でパスタを茹で上げ、ほんのり風味をまとわせました。パスタは袋の表記より1分短く茹で、フライパンの中でオリーブオイル、茹で汁と絡めて仕上げるだけの即興パスタです。火にかけながら、茹で汁とオイルをしっかり混ぜ合わせて乳化させれば、トロリとクリーミーな口当たりのソースに仕上がります。
 ふっくらとした鱧をかみしめると広がる塩味が、ミネラリィなワインの味わいと響き合います。トウモロコシの甘みに果実の甘さが優しいトーンで寄り添って、シャキシャキとした歯ごたえも楽しげな一皿になりました。
 よく冷えた白ワインが恋しい夏本番。スーッと身体に染みわたるような飲み心地のルガーナが、喉の渇きと体の火照りを、そっと癒してくれることでしょう。


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