イタリアワインの魅力をお伝えします読むワイン

Vol.33 特別な食事や贈り物にも最適
人気上々!フランチャコルタ

 「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、ロンバルディア州の「マイオリーニ」が手がける「フランチャコルタ・ブリュット・ミレジマート・レゼルヴァ“ブラン ド ブラン”2015」をご紹介します。

フランチャコルタ・ブリュット・ミレジマート・レゼルヴァ“ブラン ド ブラン”2015 いよいよ今年も、残すところ1カ月あまりとなりました。お世話になった人への贈り物や、年末年始の食事の席に、ワインを選ぶ機会が増えることと思います。せっかくなので、少し高価なワインを奮発しようという方もいらっしゃるかもしれません。そんな特別なシーンにおすすめしたいのが、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵の製法で造られるスパークリングワイン「フランチャコルタ」です。

 産地はロンバルディア州の西部、イゼオ湖の南側に広がっています。原料ブドウの構成もシャンパーニュとよく似ており、シャルドネ、ピノ・ネーロ(ピノ・ノワール)のほか、50%以下の割合でピノ・ビアンコ(ピノ・ブラン)の使用が認められています。

ブドウ畑 1961年に生産が始まり、1995年にはイタリアワインの格付けで最高ランクのDOCG(統制保証原産地呼称)に昇格。わずか30年で、これほどまでに評価が高まったことは「フランチャコルタの奇跡」とも呼ばれています。

 ちなみに、フランスのシャンパーニュは1600年代後半からの長い歴史を持ち、現在の生産者数は大小合わせて5000ほど。それに対し、フランチャコルタの生産者は120軒ほどと、かなり希少です。2013年には「フランチャコルタ協会日本事務局」が発足するなど、日本での人気も非常に高まっています。

 「マイオリーニ」は、1960年代に現オーナーの父がワイナリーを開設し、現オーナーの代では醸造設備とセラーを一新、シャンパーニュから高名な醸造家を招くなど、技術の革新に努めてきました。ブドウ畑にみられる「メドーロ」と呼ばれる純粋な石灰岩質の地層を生かし、2012年から有機栽培へ転換。いきいきとしたミネラル感をブドウに与え、シャンパーニュ由来の酵母を使って熟成させています。

セラー風景 今回ご紹介する「ブラン ド ブラン」はシャルドネ100%、味わいは残糖度が1リットル中12%以下の中辛口「ブリュット」で、60カ月以上も熟成されたプレステージタイプです。

 色調は輝きのあるイエローゴールドで、泡立ちがきめ細かく持続性が高く、グラスに注いでしばらくたってもパチパチと泡の弾ける音が爽快に響きます。アプリコットや黄桃、蜂蜜のほか、柚子やすだちのような和柑橘の優しい香りも感じられました。口に含んだときのボリューム感がしっかりとあり、柑橘類の皮のようなほろ苦さに包まれた、キリっとした酸が非常に爽やかな飲み心地です。 

ボトル集合 牡蠣が美味しくなってきましたね。料理上手な友人に教わった、ディルとピンクペッパーのアレンジで味わってみました。白ワインでソテーした後、赤唐辛子とニンニクとオイルに漬け込んだ牡蠣は、ふっくらと身が厚く、磯の香りとミルキーな味わいに、ディルの鮮烈な香味がアクセントに。今回のワインのキレの良さ、長期熟成による膨らみのある味わいが、風味をよく引き立てます。

料理とワイン 冬に脂がのる白身魚・ホウボウは、文旦の果肉と和えてサラダ仕立てにしました。お魚にレモンを合わせるイタリア風もいいですが、冬にかけて種類豊富になり、味わいも香りも表情豊かで繊細な日本の柑橘類を料理に取り入れるのもおすすめです。むっちりとした粒々の食感に、上品な酸味と甘さ、何より香りが素晴らしい文旦と、7年もの歳月を経て美しい酸が際立つワインが優雅に響き合います。

 簡単な魚介のオードブルのレパートリーをいくつか用意しておけば、おもてなしに心強いですね。乾杯は、よく冷やした新進気鋭のフランチャコルタで、ちょっと変化球にすると、パーティーの話題も一気に盛り上がることと思います。


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