Vol.5 世界的醸造家が手がける
トスカーナのサンジョヴェーゼ

 「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、トスカーナ州の「アマンティス」が手がける「アマンティス2015」をご紹介します。

アマンティス

 イタリア中部のトスカーナ州は、州の面積の65%以上を丘陵地帯が占め、緑ゆたかな丘陵地帯の続く美しい風景と、フィレンツェ、シエナ、ピサなど多彩な観光地が多くの人を惹きつける、大変みどころの多い州です。地中海(ティレニア海)に面した西側の海岸線は397㎞に及び、北と東はアペニン山脈に囲まれています。

 イタリアの黒ブドウ(赤ワイン用のブドウ)のうち、もっとも栽培量の多いのが、サンジョヴェーゼという品種です。ほとんどの州で植えられていますが、その「聖地」ともいえるのがトスカーナ州で、サンジョヴェーゼから造られるDOCG(統制保証原産地呼称)「キアンティ」、「キアンティ・クラシコ」は、日本でも非常にポピュラーな世界的銘柄の赤ワインです。

 これらのほかにも、サンジョヴェーゼやそのクローンを主体とした高品質な赤ワインがトスカーナ州には多種多様にそろい、州のワイン生産量のうち「赤ワインが9割近く」と際立って多いことにも特色がみられます。

田園風景

 「アマンティス」のワイナリーがあるモンタルチーノは、キャンティ地区の南側に位置し、かつては甘口白ワインの生産地でしたが、19世紀末に「ビオンディ・サンティ」が始めた長期熟成の赤ワインDOCG「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の成功によって、イタリアを代表する赤ワイン産地となりました。

 「アマンティス」の醸造を担うパオロ氏は、この「ビオンディ・サンティ」で醸造長を務めた経歴をもち、2013年のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーでは世界第2位に選ばれるほどの実力の持ち主です。オーナーのベルナルデッタ夫人、息子のヤコポ氏とともに、サンジョヴェーゼを主体にしたワインを中心に、高品質ワインのみを手がけています。

アマンティス の葡萄畑

 サンジョヴェーゼは酸とタンニンのゆたかな品種ですが、比較的冷涼なキアンティの地区に比べ、ティレニア海の影響を受けて温暖なモンタルチーノでは、まるみのある味わいに育ちます。その個性を引き出すのが、パオロ氏の腕の見せどころ。

 今回ご紹介する「アマンティス2015」は、サンジョヴェーゼ100%から造られるDOCG「モンテクッコ・サンジョヴェーゼ」で、フレンチオークで3週間のマセラシオン(醸し)と20カ月の熟成、さらに18カ月の瓶内熟成を経てリリースされる長期熟成型のワインです。

樽

 グラスに注いでみると、濃厚なルビーレッドの色調で、スミレの花やベリー類、木の皮のような癒しの香りが広がり、空気に触れるにつれ、バニラのような芳香を醸し、やわらかで甘い香りへと変化していきます。

 口に含むと、はじめは優しさと繊細さを感じ、やがてチェリーやカシスのような甘酸っぱい果実味が口の中で膨らんでいくような力強さがあります。のど越しには、いきいきとした酸とはっきりとしたタンニンがあり、後口にコクと複雑な旨みを感じます。

料理とワイン

 非常になめらかでエレガントながら、パワフルな果実味が感じられるワインに、ソテーした野菜を薄切りの牛肉で巻いたイタリア料理「インボルティーニ」を合わせてみました。白ワインとトマトソースで煮込み、軽やかな味わいに仕上げた一皿です。

 長期熟成による美しい調和が魅惑的なサンジョヴェーゼは、造り手の技術の高さが感じられ、特別な日や贈り物にも、おすすめしたい1本です。


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