イタリアワインの作り手紹介
創業者カルロ・ノヴェレーゼの哲学を守り
黄金の谷から生まれるキャンティ・クラシコ
カロッビオは、フィレンツェとシエナの間のキャンティ地区の中央に位置するパンツァーノの郊外にあります。ワイナリーは、コンカ・ドーロ(黄金の谷)と呼ばれる南西向きの海抜300~450mに位置し、森とオリーブ畑に囲まれ、穏やかで昼夜の寒暖差が大きく、気候条件に恵まれています。
土壌には3種類の特徴が見られ、石灰を多く含む粘土質土壌で保水性が良い「アルベレーゼ」と、礫岩を多く含む泥灰土壌で水はけが良く保温性に優れる「ガレストロ」、豊富な鉱物分を含む火山性粘土質土壌「シルト」から形成。ブドウの育成に絶好の条件がそろっており、ワインの味わいに多様性を与えています。
パンツァーノはルネッサンスの面影を残す山間の町で、カロッビオ農園は15世紀にフィレンツェの豪商・マガルディ家により設立されました。その後、サンタ・マリア・ヌオーヴァ病院に転売され、1479年に、モナリザのモデルと言われているリサ・ゲラルディー二の父アントンマリアに管理を委託。後に病院が買い戻しますが、18世紀末には農園は衰退しました。
1985年に初代オーナーのカルロ・ノヴェレーゼがこの地を訪れ、農園を購入したことを機に、新しい命が吹き込まれました。さびれていた農家の母屋は豪華なヴィラに変わり、ブドウ畑はワイン造り専用の畑として改植。セラーは現代的な設備を備え、専門の技術者が常駐・管理するように。最良のブドウから最良のワインを造ることにカルロは情熱を注ぎました。彼が亡くなった2000年代に、いったん他のワイナリーに委託されましたが、現在はノヴェレーゼ家とエノロゴのダリオ・ファシンが受け継ぎ、新しい展開を迎えています。
パンツァーノのワインの特徴を最もよく表現する、凝縮して芳醇な味わいのキャンティ・クラシコと最優良年のみ造られるリゼルヴァ、2つのスーパートスカーナのほか、ピノ・ブランやメルローのワインなども手がけています。
創業時からの味わいと哲学を守り、銘醸地キャンティから、素晴らしいワインを届けています。
生産者情報
カロッビオTenuta Carobbio
オーナー
Dario Faccin
トスカーナ州
イタリアルネッサンスを生んだこの州では、ワインルネッサンスと呼ばれるワイン改革が60年代後半から始まりました。キャンティやブルネッロの近代化高品質化にはじまり、品種や醸造法にとらわれないスーパートスカーナなどを生み、イタリアワインを牽引しています。