
ワイン州別生産量で常にトップ3入り!「イタリアの食糧庫」プーリア州
イタリアの地形はよく長靴に例えられますが、かかとにあたるのがプーリア州です。ブドウやオリーブ、トマトなどの農業が盛んで、野菜や果物が豊富に収穫されることから「イタリアの食糧庫」と呼ばれています。イタリア最東端に位置し、アドリア海とイオニア海に挟まれているため、魚介類も豊富です。
観光名所として特に有名なのが世界遺産に登録されているアルベロベッロ。石造りの壁に円錐型のとんがり帽子のような屋根をもつ家「トゥルッリ」が立ち並んでおり、まるで童話の世界に入り込んだかのような気分にさせてくれます。


プーリア州のワインと主要なブドウ品種
プーリアは地中海性気候で広大な平野に恵まれたブドウ栽培に理想的な土地です。そのため、イタリアの中でも常にワインの生産量はトップクラスを誇ります。
かつてはヨーロッパ最大のバルクワイン(※1)の供給地として知られていましたが、現在は多くのワイン生産者が自社で瓶詰めを行い、品質向上に努めています。これにより高品質のワインも生産されており、DOCG(※2)は4つあります。プーリアではさまざまなブドウ品種が育てられていますが、特に人気なのが下記黒ブドウの3品種です。
- ◼︎プリミティーヴォ(Primitivo) アメリカで「ジンファンデル」と呼ばれる品種と同一。アルコール度数が高く、濃厚な果実味が特徴。
- ◼︎ネグロアマーロ(Negroamaro) 色が濃く、タンニンの強い赤ワインを生む。
- ◼︎ネーロ・ディ・トロイア(Nero di Troia) 深みのある色合いと、しっかりとしたアルコール感、豊富なタンニンを備えた赤ワインを生み出す。
※1 バルクワイン 瓶詰めせずに輸出し、輸出先でブレンド・瓶詰めされる低価格ワイン。
※2 DOCG イタリアワインの格付けにおいて最上位の等級で、「統制保証原産地呼称」を意味する。Denominazione di Origine Controllata e Garantitaの略で、生産地域、ブドウ品種、栽培方法、熟成方法など、厳しい規定を満たしたワインにのみ与えられる称号

イタリアの食習慣・アペリティーボとは?
みなさんは「アペリティーボ」という言葉を聞いたことはありますか?
アペリティーボは昔からあるイタリアの食習慣の一つ。当初はランチやディナーの開始を待つ間にお酒を飲むものだったそうですが、ここ数年は友人や家族とディナーの1、2時間前に、飲んだり食べたり音楽を聴いたりして楽しむ時間となり、年々人気が高まっています。
最近では多くのバーが夜19時頃から「アペリチェーナ」と名付けたイベントを開催しています。これは「アペリティーボ(食前酒)」と「チェーナ(ディナー)」をミックスしたようなもので、飲み物と一緒にフィンガーフードやピザ、パスタなどを食べることができます。
アペリティーボには、軽いカクテルを飲むことが多く、最もポピュラーなカクテルは、アペロールとプロセッコと少量のスパークリングウォーターで作る"スプリッツ"です。また白ワインやプロセッコなどの辛口スパークリングワインも飲まれます。

そんなアペリティーボにぴったりなワインがGIUSTINIの「JENTO BIANCO」です。微発砲ワインなので繊細な泡とともに、フレッシュでフルーティーな香りを楽しむことができます。
GIUSTINIについて
ここからはプーリア州のワイナリー「GIUSTINI(ジュスティーニ)」をご紹介します。
GIUSTINIは2005年にGiuseppe Papadopoli(ジュゼッペ・パパドポリ)氏によって設立された家族経営のワイナリーです。彼らは4世代にわたって土地を受け継いできましたが、2代目と3代目の時代には自家栽培したブドウを他のワイナリーに販売する農家として営んでいました。
その流れを変えたのがGiuseppeです。彼はワイナリーを設立し、自社でブドウの栽培からワインの醸造までを手がけるようになりました。
そして2005年、GIUSTINI初のワイン「VECCHIO SOGNO(ヴェッキオソーニョ)」 をリリースします。この名前はイタリア語で「昔の夢」という意味であり、「いつか自分のワイナリーを持ちたい」という、ジュゼッペの祖父(2代目)の夢を叶えたものです。
ワイナリーへのインタビュー
ワイナリーについてエクスポートマネージャー(輸出責任者)のAndrea氏とワイナリーに聞いてみました。
Q. 今の時期、ブドウ畑やワイナリーではどんな作業が行われていますか?(インタビューは4月後半に実施)
A. 現在、畑では剪定を行っています。余分な枝を取り除き、良質な房を育てるために必要な枝だけを残しています。一方、ワイナリーでは澱引き(※3)と瓶詰め作業に追われています。
※3 澱引き ワインの発酵後にできる浮遊物や沈殿物(=澱)を取り除く作業のこと。
Q. 家族経営とのことですが、それぞれどんな役割を担当しているのでしょうか?
A. この土地を受け継ぎ4代目となったGiuseppeが畑の作業や畑に関する資材の仕入れ先とのやり取りを担当しています。三兄弟の長男のSalvatore(サルバトーレ)は、ワイナリーのオーナーであり、ワインの醸造を担当。次男Federico(フェデリコ)は、セラーマスター(ワイン貯蔵庫の責任者)であると同時に、ブドウ畑でのすべての作業にも携わっています。三男は現在まだ学生です。
Q. GIUSTINIという名前の由来は何ですか?
A.GIUSTINIは、イタリアの田舎地域ごとに付けられる「コントラーダ」と呼ばれる地名のひとつで、家族が昔初めて購入した土地にちなんだ名前です。
Q. GIUSTINIの土壌について教えてください。
A. ブドウ畑は北西に面し、粘土、石灰岩、砂の混合土壌です。
Q. GIUSTINIのワイン、「PATU」と「JENTO」はどのような意味ですか?
A. 「PATU」はプーリア州の南に位置するサレント地方の小さな町の名前です。「JENTO」はイタリア語で「風」を意味する「VENTO」の方言名です。風はブドウの木をあらゆる菌類の病気から守り、気温を常に一定に保つため、私たちのテロワールにおいて重要な要素です。
Q. JENTO BIANCO に合う料理を教えてください。
A. 魚介類を使用した前菜や、野菜の天ぷらとよく合います。
最後に
GIUSTINIは、代々受け継いできた土地を大切に守り続けています。彼らの目標は、その土地で育まれた土着品種の個性と特徴を保ち、さらに高めること。決してその魅力を歪めことはありません。
畑では自然の力を尊重し、必要最低限の手入れにとどめています。セラーでは、ブドウ本来のアロマと香りを引き出すために、必要な範囲でのみ改良を行っています。父Giuseppeが丹精込めて育てた最高品質のブドウを、若く情熱あふれる醸造家Salvatoreが最大限に生かし、日々ワイン造りに励んでいます。
さらに、セラーマスターのFedericoが、畑とセラーの作業すべてを細やかに管理し、品質をしっかりと支えています。土地への深い愛情、ワインへの惜しみない努力と誠実さが詰まったGIUSTINIのワインを、ぜひお楽しみください。

※現在、こちらのワイナリーの商品のお取り扱いはございません。