ワイナリー通信 Vol.8〜Torre Del Marino 2025春〜

どんな食事にも合わせやすい実は万能!ロゼワイン

春爛漫の季節を迎え、店頭などでロゼワインを目にすることも多くなってきました。とはいえロゼワインを飲む機会がないという方も、まだまだ多いのではないでしょうか。

可愛らしいピンク色の見た目も相まって「ロゼワインは甘くて料理と合わせるのが難しい」という根強い誤解があります。しかし実は万能なワイン。フランスでは白ワインよりも消費量が多いほど日常的に楽しまれています。カジュアルなのにオシャレで、冷やして美味しいロゼワインは、これからの季節アウトドアでも活躍すること間違いなしです。

今回のワイナリー通信ではロゼワインを取り扱うエミリアロマーニャ州のワイナリー「Torre Del Marino」のご紹介とともに、ロゼワインの魅力についてもご紹介していきます。

ロゼワインとは

ロゼワインは赤ワインと白ワインの中間のようなスタイルで、美しいピンク色が特徴です。果実味が豊かで、フレッシュかつ軽やかな味わいのものが多く、冷やして楽しむのが一般的です。

ロゼワインの醸造方法

あの綺麗なピンク色はどのようにして生まれるのでしょうか。ロゼワインには主に3つの醸造方法があります。

セニエ法(Saignée)
赤ワインの醸造過程で、黒ブドウの実を潰し、果汁と果皮を漬け込みます。その後果汁を抜き取り発酵させる方法で、色も味わいも濃いロゼワインに仕上がります。セニエはフランス語で「血抜き」を意味します。
直接圧搾法
白ワインと同じ醸造方法を黒ブドウで行います。黒ブドウを圧搾して果汁を発酵させる方法です。果皮との接触時間が短いため色は淡く、味わい軽やかで繊細に仕上がります。
混醸法
白ブドウと黒ブドウを混ぜ、セニエ法で醸造します。

ロゼワインに合わせる料理は?

ロゼワインが「万能」と言われる理由は、合わせられる料理の幅が広いからです。 フレッシュで軽やかなタイプのロゼには、「カプレーゼ」や「エビのマリネ」、「お寿司」などの爽やかな料理がぴったり。

一方、コクのあるタイプのロゼには、トマトソースを使った料理がよく合います。 これからの季節には、夏野菜のラタトゥイユや鶏のグリルに合わせるのもおすすめです。

また、意外かもしれませんが、中華料理にもよく合うので、ぜひ一度試してみてください。

ここからは、そんなロゼワインも手がけているエミリア・ロマーニャのワイナリー「Torre del Marino(トッレ・デル・マリノ)」をご紹介します。

Torre del Marino(トッレ・デル・マリノ)について

Torre del Marinoは、ピエロ&ステファノ・コルテッキア兄弟によって、2020年に設立されました。

ふたりはもともと家族経営のワイナリー「Cantina Cortecchia s.r.l」で働いていましたが、エミリア・ロマーニャの土地を訪れる人々に「この地域の美しさとその魅力あふれる味覚を伝えたい」という思いから、2016年に新しく土地を購入。

ロマーニャのアペニン山脈の中心部に位置し、緑豊かな丘陵地と「カランキ」(雨や風などの浸食による荒地)に囲まれた土地にTorre del Marinoが誕生しました。

ワイナリー名は、15世紀末に建てられた歴史的な塔「トッレ・デル・マリノ」に由来します。

この塔は、セニオ川渓谷を一望できる場所にあり、防衛や見張りの目的で建てられた中世の軍事建築の代表例とされています。第二次世界大戦中にはドイツ軍の砲撃により天井や内部の支柱が破損しましたが、今でも内部の階段の一部や大型の暖炉の遺構が残っています。

現在、この塔はコルテッキア家が11代目の所有者として受け継いでいます。

ワイナリーへのインタビュー


Q. 2024年のブドウ栽培はどうでしたか?

A. 2024年は、ここ50年で最も暖かい記録的な暖冬から始まりました。その影響で、3月・4月には雨が多く降り、ブドウの芽吹きが例年よりも早まりました。しかし、4月下旬に気温が急激に下がったことで、成長が一時的に鈍化。サンジョヴェーゼの一部がメルローよりも先に色づき始めるなど、異例の現象も見られました。その後、再び気温が急上昇すると、植物の成長は一気に加速。一部の品種では結実に問題が発生し、迅速なブドウ樹の管理が求められました。

局地的な雹(ひょう)による被害などの困難もありましたが、シーズン全体を通して見ると、栽培はおおむね順調に進みました。


Q. ブドウ畑の面積と、栽培しているブドウ品種を教えてください。

A. 畑の総面積は57.3ヘクタールで、現在9品種のブドウを栽培しています。品種は、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、サンジョヴェーゼ、カニーナ、ピノ・ブラン、モスカート、アルバーナ、トレッビアーノ、ファモーゾです。


Q. 土壌について教えてください。

A. この地域は、砂や砂利が豊富な粘土質のカランキ地帯が広がっています。海に近いため、海風が夏の夜の気温を下げ、冬の厳しさを和らげるという特徴があります。古代の海の堆積物、粘土、砂岩が土壌を形成し、リッチでダークな果実味とスパイシーなミネラル感を引き出します。


Q. 現在(4月初旬にインタビュー)ワイナリーでは、どのような作業が行われていますか?

A. この時期、ワインはステンレスタンク内で、熟成の段階に入っています。多くのロットはシュール・リー(澱とともに熟成させる手法)の状態にあります。ワイナリー内の研究室で定期的に状況をチェックし、必要に応じて澱引きを行っています。


Q. 現在の畑の様子はいかがですか?

A. 2025年のブドウ栽培シーズンは、暖かく雨の多い冬とともにスタートしました。剪定作業は2月末までに完了しています。現在は芽吹きの初期段階にあり、ブドウ樹が再び成長を始めているところです。4月はとても重要な時期で、霜が発生するとブドウの成熟に深刻な影響を与える可能性があるため、特に注意が必要なタイミングとなっています。


Q. ロゼワインはどのようにして醸造していますか?

A. 直接圧搾法で醸造しています。ブドウはサンジョベーゼを使用しています。


Q. サンジョヴェーゼフリザンテに合う料理を教えてください。

A. このワインは、夏らしく華やかな軽めのスパークリングワインで、食前酒としてもお楽しみいただけます。赤い果実の風味がストレートに感じられ、エクストラドライでフレッシュなワインです。野菜や魚を使った前菜や軽めのチーズに合います。フレッシュさと微発泡の心地よさシンプルな味わいにマッチします。

最後に

当初、Torre del Marino のプロジェクトは完全オーガニックの栽培を目指していました。しかし、ここ2年間の豪雨や洪水の頻発、記録的な高温や強風の影響で継続が困難に。

最後のオーガニックワインの生産は2022年ヴィンテージとなり、2023年以降、通常の栽培方法へ変換しています。プロジェクトの中止はやむを得ない残念な結果ではありますが、これまで費やした時間と労力を無駄にせず、土地と味わいの魅力を伝えようと前進するTorre del Marino。彼らのワインからエミリア・ロマーニャの魅力を感じていただけると幸いです。

※レアーレカンティーナでは2025年4月現在完全オーガニックの栽培のワインを取り扱っています。在庫が終了次第、通常栽培のワインへ切り替えとなります。

サンジョヴェーゼ フリザンテNV

サンジョヴェーゼ フリザンテNV

華やかな軽めのロゼスパークリングワインは赤い果実の風味がストレートに感じられ、野菜や魚を使った前菜や軽めのチーズに合います。フレッシュさと微発泡の心地よさがシンプルな味わいにマッチします。

¥3,960(税込)

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トレッビアーノ ルビコーネ NV

トレッビアーノ ルビコーネ NV

軽い柑橘系の香りとミネラル感、活き活きした酸味が爽やかさを持続させます。

¥4,180(税込)

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リト ビアンコ NV

リト ビアンコ NV

桃やグレープフルーツなどのフルーティーさと複雑な蜂蜜の風味をもち、ミネラル感と豊かなボディがエレガントな飲み口と心地よい余韻を生み出します。

¥4,620(税込)

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ロマーニャ サンジョヴェーゼ スペリオーレ リゼルヴァ 2019

ロマーニャ サンジョヴェーゼ スペリオーレ リゼルヴァ 2019

ブラックチェリーやイチゴなどの赤と黒の果実のアロマにスミレやコーヒーなどの香り、凝縮したボディとドライな余韻が続きます。

¥4,620(税込)

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