イタリアワインの魅力をお伝えします読むワイン

Vol.57 迷ったときはこれをチョイス
常備したいソアヴェ・クラシコ

 「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、ヴェネト州の「ヴィラベッラ」が手がける「ソアヴェ・クラシコ 2018」をご紹介します。

ソアヴェ・クラシコ 2018 嬉しいことに、気軽にイタリアのワインと料理を味わえる店が、都内にもたくさんあります。なかでもグラス1杯から楽しめ、「ワイン居酒屋」「立ち飲みバー」とでも呼びたくなるような、気さくな店が大好きです。

 カウンターの後ろにズラリと並んだ「本日のおすすめワイン」に目移りしながら、「迷ったときにはコレ」と頼りにしているのが「ソアヴェ」。柑橘系の香りと爽快な飲み心地が前菜類によく合い、苦みを伴った旨味が食事の味を引き立ててくれます。最初の1杯によし、食中酒としてじっくり楽しむのもよし、オールマイティーな白ワインです。

 「ソアヴェ」は、ヴェネト州を中心に栽培される「ガルガネーガ」を主体としたイタリア政府認定のDOC(統制原産地呼称)ワインで、日本でもおなじみの銘柄ですね。広いDOC「ソアヴェ」の中に、丘陵地帯を中心としたDOC「ソアヴェ・クラシコ」の栽培エリアがあり、ここで造られるワインは、フレッシュ&フルーティーな味わいに加えて、凝縮感と複雑味を持ち合わせているのが特徴です。

ブドウ畑 「ヴィラベッラ」のワイナリーがあるのは、ワインの見本市「ヴィーニタリー」が開かれ、「イタリアワインの首都」ともいわれるヴェローナ県。ガルダ湖を見下ろす丘の上に位置し、日当たりがよく、アロマ豊かなブドウが育ちます。

 グラスに注ぐと、明るい黄金色で、柑橘、リンゴ、アカシア、白コショウの香りが漂います。柑橘は、パンチの効いたものより、日向夏のような和柑橘を思わせる優しいニュアンスです。口に含むと、果実の甘味とともに独特の苦みを感じ、上品な酸としっかりとした塩味が重なり合って、余韻が長く続きます。

ワインラベルイメージ すっきりとフルーティーなだけで終わらない、ミネラル感と旨味をもったワインは、和食との相性も抜群で、お寿司やお刺身と合わせるのもおすすめ。今回はカンパチの和風カルパッチョに合わせてみることにしました。スライスしたカンパチを、お酒とお酢で湿らせた昆布に挟み、冷蔵庫に2時間ほど置いた、簡単な昆布締めです。味付けは塩とオリーブオイルでシンプルに。作り置きのピクルスを刻み、さいの目に切ったフレッシュトマトと混ぜて添えると、彩りのよい前菜が出来上がりました。

料理とワイン 昆布締めにしたことで、カンパチの身が締まり、脂の旨味に程よい酸味がのって上品な味わいになりました。ピクルスのソースとともに、酸の豊かなワインが、いきいきとした風味を添え、ワインのミネラリーな塩味と苦みが、昆布の風味にぴったりと重なり合います。

 魚介や貝類と相性抜群なので、パスタならボンゴレがよく合いそう。とりあえず前菜で乾杯してから、ほろ酔いでキッチンに立ってみるのもたまには(?)いいもの。アンティパストからパスタ、軽めの魚やお肉のメインまで食事を通して楽しめるので、冷やしておいた一本があれば、とっても頼りになること間違いなしです。


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※こちらのワインは「読むワイン」で紹介されたヴィンテージとは異なります。風味や特徴に若干の違いがある可能性がございますのでご了承ください。