イタリアワインの魅力をお伝えします読むワイン

Vol.67 伸びやかな酸とふくよかな果実味
ピノ・ネーロ100%の贅沢な“泡”

 「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、ロンバルディア州の「マイオリーニ」が手がける「フランチャコルタ・ブリュット・ブランドノワール」をご紹介します。

フランチャコルタ・ブリュット・ブランドノワール グラスに注ぐと、シュワシュワと弾ける泡、立ちのぼる爽やかでフルーティーな香り。たちまち幸福感で満たされるスパークリングワインは、皆さんもお好きですよね?

 イタリアきっての高級スパークリングワインといえば、ロンバルディア州の「フランチャコルタ」。指定の地域で、シャンパーニュと同様の瓶内二次発酵を用い、ブドウ品種や熟成期間などの厳しい規定のもと少数の生産者によって造られています。

マイオリーニ氏 生産地域の北東部にある「マイオリーニ」のブドウ畑は、メドーロという純粋な石灰岩質の土壌に恵まれています。有機栽培で育てられた繊細な味わいのブドウに、土壌のミネラル感が反映された、非常にキレが良く力強いフランチャコルタの造り手です。

 レアーレカンティーナが扱う9種類のうち、今回ご紹介する「フランチャコルタ・ブリュット・ブランドノワール」は、ピノ・ネーロ(ピノ・ノワール)100%のタイプで、24カ月の瓶内二次発酵と熟成を経ています。

 「ブラン・ド・ノワール(Blanc de Noir)」とはシャンパーニュの用語で、黒ブドウのみから造られることを意味します。色素は果皮に含まれるため、圧搾するときに果皮と果汁を上手に分離して、無色の液体に仕上げます。一般的に、白ブドウで造るよりもふくよかな味わいとなり、秋に楽しむ“泡”として非常におすすめのタイプです。

セラー風景 ほんのりピンクとオレンジを帯びた、アプリコットを連想させる美しい色調で、きめ細かな泡立ちが持続。ラズベリーのチャーミングな香りと、リンゴの蜜煮のような濃密な香りが魅力的に混ざり合います。

 口に含むと、優しく弾ける泡とともに果実のフレッシュな甘味、伸びやかな酸が口いっぱいに広がります。華やかさとコクと爽快感、すべてが高いレベルで調和し、うっとりと引き込まれるような飲み心地です。

 中辛口のスパークリングワインは、さまざまなタイプのお食事にマッチします。ピノ・ネーロを使っていることに焦点を当て、白身よりも赤身の魚介類に合わせてみると、ワインのふくよかさとのバランスがいっそう楽しめると思います。

料理とワイン1 カツオのタルタルは、レモンフレーバーのオリーブオイルで臭みを和らげ、マスタードスプラウトでピリッと辛味を添えました。フランチャコルタに合わせてみると、カツオ特有のクセをキレのある酸が中和し、やわらかで旨味の強い味わいをピノ・ネーロの奥行き感が包み込みます。クリーミーなアボカドとなめらかな泡の調和もいいようです。

 エビとレンコンの食感の違いを楽しむサラダは、マヨネーズとピンクペッパーで味付け。エビの濃厚な塩味がピノ・ネーロの豊かな果実味を引き立て、ピンクペッパーと弾ける泡がピリッと刺激的なアクセントに。こちらも、なかなか魅力的なペアリングです。

料理とワイン2 泡のワインは揚げ物との相性も抜群なので、カボチャのサモサも作ってみました。鶏ひき肉と玉ねぎを混ぜ込み、ちょっぴりシナモンを効かせて。カリッ、ジュワッと甘味いっぱいの揚げたてに、よく冷えたフランチャコルタの爽快な飲み心地、ああ、とっても贅沢!

 ちょっとしたお祝いやご褒美に、季節の変わり目の疲れを癒すために。どんなときでも幸福感をもたらしてくれるフランチャコルタを、ぜひ皆さんも思い切り楽しんでみてください。

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