イタリアワインの魅力をお伝えします読むワイン

Vol.81 溌剌としてフレッシュ&フローラル
お花見ワインに選びたいクストーザ

 「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、ヴェネト州の「ヴィラベッラ」が手がける「クストーザ 2021」をご紹介します。

ワイン 東京では、桜の開花予想日を今週に控え、いよいよお花見シーズン到来です。気温が上がったり下がったりと気まぐれな天気の続いた3月ですが、そろそろ春らんまんの陽気の中で、思い切り行楽を楽しみたいですね。

 そんなときに出番となりそうなのが、こちらの「クストーザ」。スクリューキャップでお手軽、フレッシュでいきいきとした味わいが春にぴったりの1本です。

 「クストーザ」は、ガルダ湖の東側に広がるDOC(統制原産地呼称)の名称で、ガルガネーガ、トレビアーノ・ディ・トスカーノなど9種類ものブドウ品種の使用が認められています。ガルダ湖周辺は温暖な気候で、湖からの暖かい風と、北側の山からの冷たい風により、昼夜の寒暖差が生まれます。そのため、ブドウはアロマに富んだ豊かな味わいとなるのが特徴です。

ブドウ 今回のワインは、ガルガネーガ、トレビアーノ・ディ・トスカーノのほか、シャルドネ、トレビアネーロ、ピノ・ビアンコがブレンドされています。ガルガネーガは「ソアヴェ」に使われるブドウで、洋梨やリンゴ、白い花など、白を連想させるフレッシュ&フローラルな香りをもちます。トレビアーノは甘味のしっかりとした品種、ピノ・ビアンコは酸とボディ感が豊かな品種です。これらの持ち味を生かして、繊細な芳香を保ちながら、ステンレスタンクで醸造。キャップを開けると、白い花束のような気品のある甘い香りが広がり、わくわくと心を浮き立たせます。

 外観は淡く、輝きのあるイエローゴールドで、ライム、グレープフルーツ、パイナップル、アカシアの花の香り。アタックは溌剌としてフレッシュ、キレの良い酸と柑橘系の苦みが口中に優しく広がり、程よいボディ感のある上品な後味です。

料理とワイン ワインとランチをバスケットに詰めて近所へお出かけしてみました。用意したのは、イングリッシュマフィン風のパンを使ったサンドイッチ2種類。ひとつはスモークサーモン、アボカド、クリームチーズを挟み、黒胡椒とバジルをアクセントに。脂ののったサーモンとアボカド、チーズの濃厚な組み合わせに、バジルが高貴な抜け感を生みます。多種のブドウの風味が折り重なった、繊細で厚みのあるワインが、引けを取らないバランスです。

 もう1種類は、レバーペースト、きゅうり、タマネギスライスを挟んで。レバー独特の風味と野菜のみずみずしい味わいに、ワインの柑橘系の味わいがキリッと際立ち、いきいきとした酸が表に出てきます。

湖畔の鳥 使用したパンはスーパーで売られているもので、具材も身近なものばかり。ワイングラスはテイスティング用のものを使いました。価格が手ごろで比較的丈夫、そしてサイズが小ぶりなので、持ち運びにおすすめです。

 こんな手軽なランチタイムを特別な時間に昇格してくれるのが、クストーザのワイン。よく見ると鳥が水面を泳いでいるようなキュートなエチケットで、ワイナリーのある湖畔の風景が目の前に広がるようです。簡単な手作りやテイクアウトの食事を携えて気軽に、春の景色を探しに出かけてみませんか?


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※こちらのワインは「読むワイン」で紹介されたヴィンテージとは異なります。風味や特徴に若干の違いがある可能性がございますのでご了承ください。