「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、エミリア・ロマーニャ州の「トッレ・デル・マリノ」が手がける「サンジョヴェーゼ フリザンテNV」をご紹介します。
今回は、「レアーレカンティーナ」でこの春から扱う、ニューフェイスのワイナリーの1本です。ロゼの「フリザンテ(弱発泡性ワイン)」は、お花見にぴったり。さっそく満開の桜のもと、ピクニックへ出かけました。
こちらのコラムで初めてのご紹介となる、エミリア・ロマーニャ州のワイン。イタリア半島の付け根に東西に横たわり、北側はロンバルディア州とヴェネト州、南側はトスカーナ州に接しています。パルマの生ハムやパルミジャーノ・レッジャーノ、バルサミコ酢など、日本でもよく知られるイタリア食材の宝庫で、経済的にも豊かな州です。
ワイナリーがあるのは、イタリア屈指の「美しい村」と称される、ロマーニャ地方ラヴェンナ県のブリジゲッラという小さな村。中世の建造物が残され、オリーブオイルの生産地としても知られています。
そんなグルメ王国にちなんで、今回はチーズとベーコンを練り込んだ自家製パン、オリーブオイルとビネガー、バジルでマリネしたプチトマトを持参しました。
エミリア・ロマーニャ州で面白いのは、州都ボローニャを中心に、西側のエミリア地方と東側のロマーニャ地方で、歴史的・文化的な背景が異なり、それがワインにも表れているところ。
エミリア・ロマーニャ州で面白いのは、州都ボローニャを中心に、西側のエミリア地方と東側のロマーニャ地方で、歴史的・文化的な背景が異なり、それがワインにも表れているところ。
ご存じの方も多い「ランブルスコ」という発泡性赤ワインは、ランブルスコというブドウを主体に、エミリア地方で造られています。一方、ロマーニャ地方の赤ワインに多く使われる品種はサンジョヴェーゼで、今回の「フリザンテ」もサンジョヴェーゼが主体です。
ピエロとステファノのコルテッキア兄弟が運営する「トッレ・デル・マリノ」は、完全なビオディナミ農法を取り入れています。ブドウ畑の表面は砂と砂利で覆われ、土壌は古代の海の泥、粘土、砂質が混ざり合い、海岸からの風が夏でも涼しさを保ち、渓谷が冬の厳しい寒さを緩和。これらの条件が影響し合って、果実味とミネラル感の豊かな、非常にいきいきとしたブドウが育ちます。
ピエロとステファノのコルテッキア兄弟が運営する「トッレ・デル・マリノ」は、完全なビオディナミ農法を取り入れています。ブドウ畑の表面は砂と砂利で覆われ、土壌は古代の海の泥、粘土、砂質が混ざり合い、海岸からの風が夏でも涼しさを保ち、渓谷が冬の厳しい寒さを緩和。これらの条件が影響し合って、果実味とミネラル感の豊かな、非常にいきいきとしたブドウが育ちます。
栓を抜くと、シュワシュワと泡が立ち、甘酸っぱいベリーの香りが広がります。イチゴのような甘い香りを中心に、ラズベリー、ザクロなど透明感のある赤い実の香りが溌剌とした印象です。口に含むと、ふくよかな果実味と酸が華やかに響き合い、とってもフルーティー。程よい甘さがありつつ、ミネラル感とキレの良さがバランスよく備わり、食中酒にもぴったりの味わいです。
さて、持参したプチトマトのバジルマリネは、ハチミツとすりおろしたニンニクを隠し味に、甘酸っぱくスパイシーな味わいが、軽やかなフリザンテと好相性でした。同席したお子さん連れの方からは、「マルガリータみたい」と好評をいただき、イタリアっぽい食材が詰まった一品として、イタリアNo.1ブドウ・サンジョヴェーゼとの相性の良さを再確認しました。
自家製パンは、ホシノ天然酵母と北海道産小麦の甘さが広がる、ふんわりモッチリした生地に、チェダーチーズとベーコンが優しく塩味を添えて。パンやピッツァの食感と、泡立ちのあるワインはよく合いますね。
宴もたけなわの頃、居合わせたお料理上手が、残ったマリネ液を肉料理のソースに変身させるというサプライズも。軽やかな飲み心地ながら、芯のしっかりとしたワインは、軽めのお肉料理にも合わせられます。