イタリアワインの魅力をお伝えします読むワイン

Vol.85 地中海の風で育った地ブドウ
爽やかにレモン香るシチリア白

 「レアーレカンティーナ」では、イタリア各州の造り手を訪ね、味わい、厳選したワインだけをラインアップしています。今回は、シチリア州の「オットヴェンティ」が手がける「プント・オット 2022」をご紹介します。

プント・オット 2022 東京は、早くも初夏のような日差しが注ぎ、よく冷えた白ワインの美味しいシーズンが到来しました。ゴールデンウィークは、どこにも出かけず都内でのんびり。そこへ、シチリアの白ワインが、ほんのり地中海バカンスのムードを添えてくれました。

 新入荷のワイン「プント・オット 2022」は、シチリアのワイナリー「オットヴェンティ」が名刺代わりに手がける1本です。シチリア島の西端、海抜80280mに位置し、イタリア語で「八方から吹く風」を意味するワイナリー名は、四方八方から風が吹き込む土地にちなんだもの。栽培するブドウはシチリアの土着品種が中心で、石灰岩と粘土質の土壌が、肉付きの良いワインを造り出します。

ワイナリー 「プント・オット 2022」は、グリッロを100%使用。シチリア西端が発祥の酒精強化ワイン「マルサラ」に使われるブドウとして知られ、果皮が厚く、アルコール度数の高いワインを生み出すのが特徴です。 

 ワインの色調は明るい黄金色で、柑橘とトロピカルフルーツが入り混じった爽やかな香りが漂います。口に含むと、果実の甘味がボリュームいっぱいに広がり、溌剌とした酸味が口中でしばらく続き、余韻は長く、旨味を伴った後味へ。香りも味わいも心地よく、食欲をそそるワインです。

ワインイメージ シチリアで真っ赤に育ったトマトをイメージして、フレッシュトマトのソースをホタテに添えた一皿を作りました。ホタテは中まで火が通らないようサッと熱湯にくぐらせて甘味を閉じ込め、スライスしてサーヴします。完熟トマトは刻んで、塩とオリーブオイル、白ワインヴィネガーでソースに。仕上げには、みじん切りにしたキュウリ、新玉ねぎ、ケイパー、オリーブオイルを添えました。


 ワインの味わいにあるレモンのニュアンスが、ホタテの甘味をぐんと引き立て、ホタテにキュッとレモンを絞ったようなマリアージュになりました。塩味がトマトの旨味を倍増し、ホタテの甘味、ワインのいきいきとした酸味と重なり合います。

ワインと料理 もう一皿は、コールラビのサラダ。大根のようなシャキシャキとした食感に、低温調理した鶏むね肉を合わせ、食感の違いを楽しむサラダに仕上げました。コールラビはキャベツの仲間で、ほのかな甘味が共通しているので、キャベツと相性の良いクミンシードでアクセントをつけ、マヨネーズで和えて。ワインのトロピカルフルーツの香りと、スパイスのエキゾチックな香りが、互いの輪郭をくっきりと際立たせる組み合わせです。

 さて、連休が終わり、日常モードへ。地中海最大の島・シチリアから届いた溌剌とした味わいのワインで、慌ただしい毎日にリフレッシュのひとときを取り入れてみてはいかがでしょうか。


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